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腸の病気

感染性腸炎:ウイルス性腸炎

ノロウィルス(小型球型ウイルス、SRSV)腸炎

成人では冬季を中心に流行し、多くは生カキや二枚貝(ウィルスで汚染された海水を取り込み、濃縮している)やサラダが感染源になっています。

また学童、老人施設にしばしば集団発生しますが、学童の場合は学校給食に原因があるようです。

潜伏期は2日で、嘔吐、腹痛、下痢、発熱などの症状をきたしますが、多くは 2~3日の経過で改善します。

また、発症後1週間は糞便や吐物中に大量のウィルスを排出し、これが新たな感染源となるため、手をよく洗ってください。

また調理器具は十分に洗浄した後、次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃度200ppm)で浸すように拭くことでウイルスを失活化できます。

さらに、まな板、包丁、へら、食器、ふきん、タオル等は熱湯(85℃以上)で1分以上の加熱すれば大丈夫です。

ロタウィルス腸炎(乳児嘔吐下痢症)

嘔気・嘔吐と1週間続く白色下痢便が特徴的です。

軽い風邪症状を伴うこともあります。

好発年令は生後6ヵ月から2才までが重症化しやすく、それ以上では軽症になります。

毎年冬に発病しやすく、5℃以下になると流行します。

ロタウィルスの各群に一度かかると終生免疫ができます。

診断は便中のロタウィルスの検出によりますが、免疫学的検査法により10分以内に判定できます。

嘔吐により脱水症状を呈するときには点滴治療が必要です。

アデノウイルス腸炎

乳幼児に多発しロタウイルスに次いで多くみられます。

年中みられますが、夏期にやや多く、比較的軽症で発熱が少ないことがロタウイルスと異なります。

アストロウィルス腸炎

主に乳幼児に散発性の急性胃腸炎を起こしますが、成人や老健施設で流行することもあります。

冬季に発病しますが、一般に軽症で嘔吐や発熱も多くありません。

その他、コロナウイルス(秋~冬)、コクキッサーウイルス(夏)も下痢、腹痛などの胃腸炎をおこしますが、いずれも軽症です。