小腸は胃と大腸の間の部分にあたり、長さは6~7メートルに及びます。
また、腹膜に固定されていないため内視鏡を小腸に挿入しようとすると、腸管が一緒に伸びて奥まで検査することができませんでした。
このため、長年、小腸Ⅹ線検査のみに頼らざるを得なかったのですが、ちょうど2000年を境に新しい小腸内視鏡検査法が登場してきました。
2,000年代に入り、苦痛のないカプセルタイプの内視鏡が開発されました。
カプセル内視鏡の先端部分にCMOSやCCDカメラ、無線装置を内蔵しています。
内服したカプセルは、腸内を撮影し、画像データを体外に送信、体外受信機でデータを受信します。
検査時間は8時間と長時間ですが、病院に束縛されず、自宅でくつろげる利点があります。
今は、外部コントローラによってカメラを360度回転させ腸管内をすべて撮影できるタイプが開発中で、スクリーニング検査として非常に期待されています。
ただ本法では撮影された膨大な写真を解析するのに長時間を要すること、また組織検査や内視鏡治療ができないというのが弱点です。
カプセル内視鏡の開発と期を一にして、ダブルバルーン内視鏡が我が国で開発されました。
現在もっとも有力な小腸検査法といわれています。
これは内視鏡をチューブの内側に通して二重構造にし、それぞれの先端に風船状のバルーンを付け内視鏡とチューブを尺取り虫のように交互に進ませる方法です。
所要時間は1~2時間です。
この方法により、組織検査が可能となっただけでなく、止血やポリープの切除術、閉塞部の拡張なども行えるようになりました。
現在、新たな機器として、シングルバルーン内視鏡も開発されています。