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胃の病気

びらん、潰瘍とピロリ菌の関係


 

胃の傷にはびらんと潰瘍があり、びらんは胃の表面(粘膜)の“浅いただれ”です。

つまりやけどをして赤くただれた状態と考えてください。

潰瘍はそれよりさらに深く傷ついて、水溜りのような穴が出来てしまった状態をいいます。

 

昔からストレスや鎮痛剤やたばこ・大量のアルコールが胃を傷つけることは知られていましたが、1984年、胃に棲みついたピロリ菌が胃を傷つける主犯であると分かってきました。

 

ピロリ菌のもつ毒素や免疫細胞の増殖・反応に関するサイトカインという蛋白が胃の粘膜下を流れる血液中の好中球を活性化し、活性酸素やフリーラジカルを発生します。

これが胃の粘膜を傷つけて、びらんや胃潰瘍を発生させるというのです。