I

胃の病気

胃潰瘍と十二指腸潰瘍のちがい

 

胃潰瘍は萎縮性胃炎を伴って発病するため、胃液の酸度はさほど高くないのに対し、十二指腸潰瘍では萎縮性胃炎を伴わないため、たいていの場合、胃酸の分泌は亢進しています。

したがって胃酸分泌が多い若者に十二指腸潰瘍がみられ、中高年に胃潰瘍の多い傾向がみられます。また腹痛は胃潰瘍の場合、食後に痛みを感じやすく、十二指腸潰瘍は、空腹時や夜間に起こる傾向があります。

 また誘因について、十二指腸潰瘍の90%以上はピロリ菌が原因で発病するといわれますが、胃潰瘍ではピロリ菌の関与は70%程度で、残りの30%鎮痛剤である非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)やアスピリン、あるいは酒、煙草、コーヒー、香辛料などが原因ではないかといわれています。