巨大隕石の衝突により1億6,000万年もの間続いた恐竜時代は幕を下ろしたのですが、地上の激変になんとか生き残ったのは、わずかな食料でも生きることのできた小型のほ乳類と、空中や水中で難を逃れた一部の鳥類、爬虫類(トカゲ、ヘビ、ワニなど)でした。
とくに哺乳類は敵に襲われる危険が激減したため、爆発的に進化しました。
しかし、まもなく地上の勢力図は大きく変わります。
恐竜絶滅後、北アメリカでは、ダチョウに似た肉食巨鳥・ディアトリマが地上を征服します。
一方アジア大陸では、狼をおもわせる肉食獣ハイエノドントがすばやい動きで他の動物を抑え、頂点にたちました。
メタンガスと温暖化
5,500万年前、地下に溜まったメタンハイドレートがマグマで温められた結果、メタンガスが噴出し、地上の温度は10度以上上昇し、温暖化で北アメリカとアジアがつながりました。
その結果、アジアの覇者ハイエノドントが北アメリカへわたり、集団攻撃で巨鳥・ディアトリマを絶滅してしまったのです。
リスに似た我々の祖先カルポレステスはハイエノドントから逃れるため、引き続き木の上で隠れるように生活するようになりました。
広葉樹と樹上生活
4,000万年前、温暖化により丈の低い広葉樹が発達して横方向へ広がり、我々の祖先は広葉樹に実った果実を食べることで生活が可能となり、地上に降りる必要がなくなったのです。
木の上を移動する生活に合わせて、急速に進化が始まりました。
まず、木から木へ飛び移り、果実をむいで食べるため、手足が長くなり、親指が横を向いた機能的な手の形に変わりました。
また樹間を飛び移るため、距離感が把握できるように眼の位置が顔の横から正面へ移動し、立体的にものを見ることができるようになりました。
また食物を探すために色覚が発達し、仲間との連絡や敵の急襲に備えるため、聴覚も発達しました。
霊長類
3,000万年前、これらの特徴を備えた動物として猿の祖先が現れます。
ついに霊長類の登場です。
ちなみに霊長類とは人間や猿の仲間のことで、自分たちがあらゆる動物の進化の頂点に立つという意識から、このような呼び方をしているのです。