EVOLUTION

生命の進化

陸に上がった祖先はどこへ向かったか?

津波
3億6,000万年前、胸ヒレを手に、腹ヒレを足にし、酸素呼吸しながら水辺を徘徊する魚・アカンソステガが進化して両生類となり、トカゲに似たペデルペス(体長1メートル)として水陸両方で生活をするようになります。

今もカエル・イモリ・サンショウウオなどの両生類は健在ですが、そのうち両生類のなかに、沼や三角州の湿地帯から、さらに陸地へと進む動きが出てきました。

地上に水がなくてもいいように、乾燥に耐えられる皮膚をもつ爬虫類が出現し、以後、爬虫類全盛時代となります。

巨大噴火と低酸素世界

2億5,000万年前、シベリアで巨大噴火が発生しました。

マントルの底から巨大な上昇流がおこり、地上に噴出。直径1,000キロにわたって火柱があがりました。(スーパープルーム

海底から噴き出したメタンハイドレートがメタンガスと水に分解し、大気中にメタンガスが放出され、温度が上昇しました。

このスーパープルームで地上の酸素は30%から10%に減少し、酸素不足に耐えられる小動物を除き、95%が死滅したといいます。

全盛を誇った爬虫類もワニ・ヘビ・トカゲなどを除いてほとんど絶滅しました。

こうして1億年以上にわたり続く低酸素世界のなかを生き抜く生物として恐竜が出現したのです。

恐竜と胎生

彼らは肺のまわりに気嚢をもち吸気,呼気いずれでも肺が酸素で満たされるため、低酸素でも生きていけたのです。

人類の祖先になるキノドンは食糧難時代に適応してネズミのように小さくなり、横隔膜という補助装置で、低酸素時代を生きぬきました。

そして1億2,500万年前、キノドンから進化したエオマイアは、お腹の中で子供を育てる胎生を始めました。

低酸素では卵より胎盤を通じて胎児を育てるほうが、酸素と栄養を与えやすく、子孫を残しやすかったのです。また乳腺が発育し、母乳で育てるようになりました。

初期の恐竜は3~4メートルと比較的小型でした。肉食性または雑食性で、2足歩行をしていました。

しかし次第に巨大化が進み、体長10メートルもの大型恐竜が出現するようになりました。

ティラノサウルスと直径10キロの隕石

そしてついに体長13メートルの肉食恐竜・ティラノサウルスが登場し、恐竜世界の頂点にたつようになります。

恐竜全盛の時代が果てしなく続くとおもわれた6,500万年前のある日、火星と木星のあいだの小惑星どうしが衝突して直径10キロの隕石が誕生。

これが地球に飛来し、猛スピードでメキシコ・ユカタン半島へ激突したのです。

隕石の衝突と同時に地上は1,500度以上の火だるま状態となり、恐竜を始め地上の生物を焼き尽くしていきました。

また、高さ300メートルの津波が海岸に押し寄せ、多くの生物を飲みこんでいきました。

さらに衝突により舞い上がった粉塵が地表を覆ったため、太陽が地表まで届かず、火災が収まると一転、地上は気温が下がり始め、数十年間にわたって地球は冷え切ってしまいました。

このようにして恐竜をはじめとする大多数の生物が、突如として地上から姿を消してしまったのです。