46億年前地球が形作られたとき、重い物質はその中心部へと沈み、軽い物質は表面で冷やされ岩石となりました。
そして絶え間ない火山活動で放出された水蒸気は、大気中で冷やされ雨を降らせました。
こうして海ができたと考えられます。
地球の誕生時、大気中には二酸化炭素とメタンやアンモニアのような水素を含んだ化合物が存在し、雷による空中放電や太陽から放射される紫外線のエネルギーによりこれらが互いに反応し、アミノ酸などの有機物をつくったとおもわれます。
さらに発生した塩基や糖、リン酸も結合して、核酸のような高分子化合物がつくられるようになり、それらが雨に溶けて海の底に溜まっていきました。
こうして40億年前、海底の熱水噴出孔付近において、最初の生命が誕生したのではないかと考えられています。
生命体の飛来
また、もうひとつの有力な説として、生命体が宇宙から飛来したという考え方があります。
すなわち、彗星がアミノ酸を含む塵をまき散らしながら生命体を地球へ運んだか、あるいは隕石が海に衝突した際の化学反応でアミノ酸などの有機物が合成され、生命体が発生したというものです。
有機物とは炭素原子を含む物質で、基本的には生物が作るものをいいます。
生命が発生するために不可欠なアミノ酸が、宇宙には豊富に存在することが分かったのは、比較的最近のことです。
すでに彗星中のチリにも、地上に落下した隕石にも、アミノ酸の存在することが確認されているのです。
左手型と右手型
ところが不思議なことですが、生物が作り出しているアミノ酸の光学異性体は、ほとんどが左手型です。なぜか右手型のアミノ酸が存在しないのです。
さらに、彗星や隕石によって宇宙から飛来したアミノ酸も、大半が左手型で、右手型のアミノ酸はほとんどみられないのです。
この奇妙な事実に対し様々な考察が行われた結果、彗星や隕石などのアミノ酸が宇宙放射線を浴びたために右手型のアミノ酸が破壊され、左手型だけが地球に届くようになったと考えられるようになりました。
しかしながらアミノ酸ができただけでは生命は発生しません。
まずアミノ酸が集められてタンパク質や核酸がつくられます。
これらが少しずつ進化をとげて、エネルギーを産生する代謝機能や子孫を残すための自己複製機能を獲得したのちに、生命が誕生したはずです。
おそらく最初の生命体は酸素がなくても生きていける細菌などの微生物であったとおもわれます。