体脂肪を燃やす筋トレ
筋肉に負荷をかけて筋力を強化するトレーニングを筋トレといいます。腕立て伏せ・腹筋・スクワット・ダンベル体操など、瞬間的に強い力が必要な無酸素運動が中心になります。
このときはまず、筋肉に貯めておいたグリコーゲン(糖質)を主な原料として使います。それが終ると、からだに溜まった脂肪を使おうとします。
体脂肪を取るためには、この筋トレがとても重要な働きをします。
じつは体脂肪はそのままの形では燃焼することができません。リパーゼという分解酵素によって、脂肪を分解し遊離脂肪酸にしてからでないと、体脂肪を燃やすことができないのです。
効率の良い筋トレの順序
筋トレ(無酸素運動)を行うと、交感神経が活発になって、副腎からアドレナリンが分泌されます。さらに傷んだ筋肉の繊維を修復するため、脳下垂体から成長ホルモンが分泌され、このふたつのホルモンがリパーゼの合成を促して、体脂肪を分解し、遊離脂肪酸にするのです。
こうして、筋トレで分解された遊離脂肪酸を効率良く燃やす段階になると、今度は十分な酸素が必要となります。したがって酸素を必要とするジョギング、ウォーキング、水中ウォーキング、ヨガ、エアロバイク、自転車など、ゆったりした運動がおすすめです。
このように筋トレのあと有酸素運動を行なえば、血液中の遊離脂肪酸を効率良く減らすことができるのです。ただし脂肪は燃焼効率が低いため、血液中の脂肪分をある程度、使い切るには20分を要するといわれます。
筋トレに最も適した時間
脂肪分解酵素であるリパーゼは、筋トレによってもつくられますが、平生は膵臓にいるグルカゴンの指令をうけて分泌されています。
グルカゴンは肝臓にあるグリコーゲンを分解して血糖を上げるのと同時に、リパーゼに命じて、体脂肪を分解し遊離脂肪酸にする働きをしています。
ただ、食後2時間以内はインスリンが分泌され、グルカゴンの分泌は抑えられますから、運動をしても体脂肪をとるのは困難です。
したがって、グルカゴンが分泌されやすい空腹時か、食後2時間過ぎてから運動を始めるのが、脂肪をとるのに適しているといえます。ただし早朝は筋肉がほぐれていないため、筋トレは昼食後2時間から夕方にかけてが最も適しているとおもわれます。
また、運動時間はそのひとの基礎体力に応じて決めるべきで、はやく体脂肪をとろうと一挙に運動量を増やすことは避けてください。
減食で落ちるもの
一方、運動をせず、思い切った減食だけで体脂肪を取ろうとする人がいますが、うまくいきません。以上の理由で、先に骨や筋肉量が落ちてしまい、骨がもろく、筋肉が弱る一方で、体脂肪はあまり減ってこないのです。