発ガン因子としてもっとも関係あるのは食事でしょう。
一説には、発ガン原因の35%を食事が占めているといわれています。
次にタバコが30%です。
食事とタバコを合わせると、実に65%という数字になります。
この他にも放射線や紫外線、ダイオキシンなどさまざまな発ガン因子がありますが、正しい食事と禁煙をすれば発ガンの可能性を半分以上も減らすことができるわけです。
それほど食習慣と発ガンは密接な関係にあるのです。
まず口のなかや舌、咽頭などにできるガンは、ほとんどがタバコと関係があります。
特に咽頭ガンはタバコを吸わない人にはほとんどできないといわれています。
次に食道ガン。
食道は非常に壁が薄いのが特徴です。
タバコを吸いながら度数の強いアルコールを飲んだり、熱いお茶・お粥などを摂ると食道は傷つきやすく、ガンが発生しやすくなります。
肺ガンはいま最も死亡数の多いガンといわれ、扁平上皮ガンや腺ガン、小細胞ガンなどがあります。
このうち、扁平上皮ガンというのは、肺の入り口である肺門部にできやすく、タバコと深い関係があります。
このガンは手術がしやすく放射線治療がよく効きます。
腺ガンというのは肺の奥にできやすく、女性に多いガンです。
これは、一般に化学療法が効きにくいガンと言われています。
小細胞ガンは進行が早く、小さなうちから転移しやすいガンです。
治療は、もっぱら化学療法が中心となります。
胃ガンは最近まで最も多かったガンです。
これには保存食、つまり漬物や干物など塩分の多い食習慣が影響していました。
かつて日本人は塩分を摂りすぎていました。
胃には、胃の粘膜を守っている粘液がありますが、塩分を摂りすぎるとこの粘液が消失し、もろくなってしまうのです。
さらに、ピロリ菌が棲みつくと傷つきやすくなり発ガンの危険にさらされてしまいます。
また、加工食品の酸化防止剤や発色剤として使われるアミンが漬物に含まれる亜硝酸塩とくっつくと、ニトロソアミンという発ガン物質ができてしまうので注意が必要です。
肺ガンとならんで、最近もっとも増えてきたのが前立腺ガンと大腸ガンです。
これはともに肉食の摂りすぎと関係しています。
肉食によって摂取される動物性脂肪と動物性タンパク質のとりすぎが、原因といわれています。
乳ガンは、女性の最も増加しているガンといわれています。
北欧やニュージーランドなど、乳製品をよくとる地域に多いのが特徴です。
乳製品は動物性脂肪を多く含んでおり、女性ホルモンを増加させて、乳ガンをおこしやすくするといわれています。
日本の食卓に、肉食と並び、チーズやバターなどが並ぶようになったことが、乳ガン急増の原因のひとつであると考えられています。