一般的に植物油と言えばサラダ油をさすことが多いようですが、サラダ油はドレッシングやマヨネーズの原料として、大豆・なたね・べにばな・ ごま・とうもろこし・ひまわりなどその種類は極めて多彩です。
世界で最も多く生産されている植物油です。
油切れがよくあっさりした風味から食用油の中でもっとも人気がありますが、リノール酸が多く、安定性はよくありません。
そこでオレイン酸を増やして安定な油をつくるため、なたね油と大豆油を又は紅花油を混合した天ぷら油やサラダ油がつくられています。
なたね油は風味が淡白で、熱に強くて酸化しにくく、我が国で最も人気のある植物油です。
最近はほとんどのなたね油がカナダで改良されキャノーラになりました。
キャノーラはオレイン酸を多く含み食用油の中では、最も脂肪酸の比率が理想に近くなっていますが、安定性が悪いのが欠点です。
天ぷらに使うとほとんど油の個性を感じさせず、素材の味を引き出します。
リノール酸が最も多いため、評価が以前と全く変わり、避けるべき植物油とされるようになりました。
このため近年は品種改良され、オレイン酸を多く含むべにばな油がつくられるようになってきました。
油くささがないのでドレッシングやマリネなどの生食用としてよく使われています。
オリーブの果実を搾った油です。
特有の香りとうまみがあり、ヨーロッパでは古来最高級の油として尊ばれています。
オレイン酸が多く、リノール酸は少ないので第1のお薦め油です。
酸化しにくく加熱にも強いのでイタリア料理など幅広く使われます。
ごま油には、ガン予防・老化防止に働く抗酸化物質が含まれており、過酸化脂質の発生を防いでくれます。
極めて安定性が高く熱にも強い性質を持っています。
さわやかな風味から天ぷらや炒めもの、ドレッシングなどにもよくつかわれます。
ごま油にはオレイン酸もリノール酸も同等に含まれていますが、リノール酸による悪影響は少ないといわれています。
亜麻の種の油で、 α-リノレン酸を60%近くも含み、オレイン酸を20%、ベータカロチンやビタミンEを豊富 に含み、現在α-リノレン酸を摂取するには最適な油です。
α-リノレン酸は熱や光、酸素に触れると簡単に変性するため、炒め物、揚物には不向きです。