DIET

食養生の心得

糖質ゼロと糖類ゼロ


糖質ゼロ糖類ゼロは近年、ダイエット食品の表示にしばしば見受けられます。

糖質とは、炭水化物(炭素を含む化合物)から、食物繊維(消化酵素で分解できない食物成分)を除いたものです。

糖質には、これ以上分解できない最小の糖質である単糖類(ブドウ糖や果糖)とブドウ糖が2個くっついた二糖類(ショ糖、乳糖、麦芽糖)のほか、3個から10個くっついたオリゴ糖、それ以上の多数のブドウ糖がくっついた多糖類(デンプンやグリコーゲン)があります。

甘味の単糖類と二糖類「糖類」

このうち、単糖類(ブドウ糖や果糖)と二糖類(ショ糖、乳糖、麦芽糖)は、特に注目する必要があります。

というのは、このふたつはお菓子や果物、ジュースなど甘味が強く、消化吸収が早いので血糖が急激に上昇します。そこでインスリン(血糖を下げるホルモン)が急遽分泌される結果、糖が細胞に取り込まれて体脂肪、脂肪肝となり、メタボを引き起こしてしまうのです。

そこで糖質のうち、単糖類(ブドウ糖や果糖)と二糖類(ショ糖、乳糖、麦芽糖)を特別に扱い、糖類と呼んでいます。

糖類と多糖類を含む糖質

これに反し、オリゴ糖は消化吸収されにくく、血糖は上がりにくい特徴があります。

つまり、オリゴ糖は消化されずに大腸まで届くので、善玉菌の餌となって大腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を改善します。このため整腸作用のほか、肥満防止の代替甘味料や虫歯予防の歯磨き粉としても用いられ、特定保健用食品(健康増進に寄与する食品)に指定されています。

また、多数のブドウ糖がくっついた多糖類(デンプンやグリコーゲン)はエネルギー源ではありますが、消化吸収が遅く血糖値の上昇が緩やかなため、体脂肪になりにくいのです。

糖類対策と糖質対策

つまり糖尿病や脂肪肝を気にする人々にとっては、甘味の強い糖類対策が必要であり、肥満を気にする人々にとっては、甘いものに加え、ごはんやパンを減らす糖質対策が必要といえましょう。

現在、食品100ミリリットル(または100グラム)に含まれる糖類が0.5グラム以下であれば糖類ゼロと表示し、糖質が0.5グラム以下であれば、糖質ゼロと表示してよいことになっています。