これまで天然ガスの輸入大国だったアメリカが、一転して天然ガス輸出国になるという事態の到来に、シェール革命とまでいわれています。
シェールは粘土や泥が堆積してできた岩で、太古の湖底や海底に泥が層状に堆積されてできた板状岩です。したがってそれぞれの層に沿って割れやすい性質があります。
シェールガスとは、地下深くにあるシェール(頁岩)(けつがん)のなかに存在する天然ガス、シェールオイルは、この岩に含まれている石油です。
シェールガスの主成分はメタンで、頁岩のなかの隙間に封じ込められていたり、有機物や鉱物に沁み込んでいます。その他、エタン、プロパンのほか、二酸化炭素や硫化水素などの不純物を含んでいます。
シェールガスは必ずしもシェール内の一カ所に貯留されてないため、井戸を掘ってもあまりガスは出てきません。
そのため、シェール内に高い水圧をかけて割れ目を作り、ガスを回収する方法をとります。頁岩の熱熟成温度が高いとガス、あまり熱熟成を受けないとオイルになると考えられています。
シェールガス=米国
現在、世界のシェールガスの4割は米国にあるといわれ、埋蔵量は少なくとも150年分と試算されています。しかも採取コストは太陽光の6分の1、石油の2分の1といわれています。
石油も石炭もあと100年もたないといわれている現在、シェールガスに対する期待は膨らむ一方です。
しかし一方で、150年の備蓄に目算違いはないか、地下での水圧破砕で地表の水源地や井戸水を汚染しないかなどの問題もかかえています。
ともかくエネルギー自給率が4%という我が国では、いつまでも化石燃料や原子力発電に頼ろうとせず、再生可能エネルギーの開発に真摯に取り組まねばならないでしょう。