CTはComputed Tomography(コンピュータ断層撮影)の略で、放射線を利用してからだのまわりを走査し、コンピュータを用いて処理することで、断面画像を作成する撮影法です。
一方MRIはMagnetic Resonance Imaging(磁気共鳴画像)の略で、磁気と電波を利用して、からだの断面画像を作成する撮影方法です。
CT が放射線を必要とするのに対し、MRI はX線が不要なため被曝がなく、画像のコントラストがCTよりも高いので、解析しやすい利点があります。また、造影剤を用いなくても血管の画像を得ることができます。
一方で、MRIは検査時間が長く、胸部や腹部の撮影には長時間の息止めが必要となります。また強い磁力を使用するため、心臓ペースメーカーを埋め込んでいる方、あるいは人工関節など体内に金属が入っている場合は撮影出来ないことがあります。
臓器別優位
臓器別にみてみますと、頭部はMRIの方が圧倒的に優位です。唯一、脳内出血に関しては、CTの方がよくわかります。
また子宮や卵巣、前立腺などの骨盤内もMRIの方が優れています。さらに骨や関節などの整形外科領域もMRIの方が優れています。
逆に、内耳や中耳など耳鼻科領域や、肺のように空気の多い領域はCTの方が圧倒的に優位です。
腹部(肝、脾、腎など)についてはCTとMRIは、ほぼ同格です。
ただし、胆道系(肝内胆管、総胆管、主膵管など)は水強調画像(MRCP)を得られる点で、MRIがやや有利です。
なお、かつては横断像、冠状断、矢状断など、どの方向でも断層撮影できることがMRIの利点であると言われてきましたが、現在、CTの発達により優位差はなくなってきています。