私たちは過食、過飲すると、余分のエネルギーは皮下脂肪として蓄えられます。
しかし、もともと日本人は皮下の脂肪細胞が少なく、皮下脂肪を溜める能力が低いため、食べ過ぎると皮下脂肪はすぐ一杯になり、内臓脂肪として蓄えられるようになります。
その内臓脂肪も一杯になって溜まるところがなくなると、今度は心臓・肝臓・膵臓などの内臓の表面に直接くっ付くようになります。
つまり、皮下脂肪と内臓脂肪が脂肪細胞という袋に包まれているのに対し、異所性脂肪はむき出しのまま、ベトベトくっ付くのです。
これが”異所性脂肪というもので、そこから脂肪酸が溶け出し、各臓器に悪影響を及ぼすようになります。
すなわち、心臓の内部にしみ込んで心筋梗塞を起こしやすくなったり、肝臓内部にしみ込んで脂肪肝、非アルコール性脂肪性肝炎をおこしたり、膵臓内部にしみ込んでインスリンを産生するランゲルハンス島を破壊し、糖尿病をおこすといった具合なのです。
これらの事実から、異所性脂肪は内臓脂肪以上に有害な脂肪ではないかと危惧されています。
一般的に異所性脂肪が強く疑われるのは、肝機能検査でGOT,GPT、中性脂肪の上昇がみられ、HDLが低値を示した場合です。
異所性脂肪を溜め込まないようにするには、食べ過ぎとくに脂肪の摂りすぎを避け、なんでもまんべんに摂ることと、1日1万歩の運動を欠かさないことです。