イチョウ葉エキスはイチョウの葉を乾燥させ、アルコールまたはアセトンで有効成分を抽出したものです。
脳の血液の流れを改善するという報告があるため、頭が良くなるとか、ボケ防止に有効というイメージをもたれ、健康食品に用いられています。
イチョウ葉エキスの薬効については、まずフラボノイドが活性酸素を抑制し、動脈硬化の予防・老化防止・抗ガン作用などを発揮します。
またギンコライドは血液が固まるのを阻止し、血栓を予防します。さらにビロバライドが血液の循環を改善し、記憶力を回復し痴呆症の進行を遅らせます。
そのほかクエルシトリンが血圧降下を、ルチンが毛細血管を丈夫にします。
これだけ有効成分をもつイチョウ葉エキスですが、これを健康食品等として利用するためには、有効成分と有害成分の規格がなければ、安全に利用することはできません。
なぜなら、イチョウ葉エキスにはアレルギー物質、ギンコール酸が含まれており、これを十分取り除かなければ接触性皮膚炎や胃腸障害をおこす危険があるからです。
自宅でイチョウ葉茶を作ろうとしてもギンコール酸をうまく取り除けないため、副作用に悩まされることになりかねません。
さらにアスピリンなどの抗凝固剤やビタミンKなどと併用すると、出血しやすくなる危険があります。
ドイツではイチョウ葉エキスを医薬品として扱かっていますが、ギンコール酸の含有量に厳密な規格があります。
しかし、日本では、イチョウ葉エキスは医薬品でなく食品扱いのため、厳密な規格は定められていません。
そのためイチョウ葉エキスの長期使用や過剰な摂取(1日の摂取量120mgまで)にならないよう、個人個人が十分注意するようにしてください。