緑茶の渋みの成分がカテキンです。カテキンは強い抗酸化作用を持つポリフェノールのひとつです。その抗酸化力はビタミンEの10倍、ビタミンCの80倍といわれています。
ただしカテキンの含有量は茶葉を発酵させないほうが多いので、全く発酵させていない白茶や緑茶に最も多く、次に半分程度発酵させたウーロン茶、さらにウーロン茶より発酵が進んだ紅茶、最後に発酵しきった黒茶の順になります。
カテキンの効用としては、毛細血管を強化して動脈硬化・老化を防ぎ、血圧・血糖・コレステロールの上昇を抑え、高血圧・糖尿病・高脂血症などの生活習慣病を予防することが期待されます。
またカテキンは強力な殺菌作用をもつため、食中毒の予防・虫歯の予防に効果的で、お茶でうがいするのは理にかなっています。
さらにカテキンのもつ強力な抗酸化作用により、ガンの予防や転移を防ぐ効果が期待されています。しかし、今のところ動物実験では効果がみられるものの、ヒトで有効との結果は出ていません。
お茶で薬を飲む?
時々、お茶で薬を飲む人がいますが、基本的には避けたほうがいいでしょう。
とくに貧血の薬をお茶で飲むのはよくありません。カテキンが薬の吸収を邪魔するからです。貧血の薬であるノンヘム鉄の吸収が70%も阻止されてしまうといいます。
また、抗血液凝固剤ワルファリンもお茶で飲むのは避けてください。カテキンが抗血液凝固剤の働きを抑えてしまうのです。睡眠薬をお茶で飲むのもよくありません。お茶には興奮性のカフェインが含まれているからです。
ただ麦茶はほかのお茶と違って、ツバキ科の茶木でなく、大麦からつくられるため、ほとんど問題はありません。また最近の薬剤はカプセル化が進み、これらの問題に対処するような工夫がされてきているところです。
なおカテキンとタンニンの関係は、タンニンの中で特定の構造を持つものがカテキンで、カテキンが酸化(重合反応)することによってタンニンになります。
とくに緑茶では、含まれるポリフェノールのほとんどがタンニンで、またタンニンのほとんどがカテキン類なので、両者は混同して使われることが多いのです。