カフェインとは
カフェインとは、コーヒー(カフィー)に、化学物質を示す-ineをつけたものです。
カフェインを含む飲食品には、コーヒーのほか、緑茶、ウーロン茶、紅茶、ココア、コーラやチョコレートなどがあげられます。
そもそも、カフェインがからだにいいか、悪いかという議論は間違っています。飲み方によって有用にもなり、有害にもなるからです。
カフェインの作用
普段、眠気を醒まそうとコーヒーを飲むのは、カフェインによる覚醒作用を期待するからです。カフェインにはアデノシン(脳の活動を抑え、眠気を催す)を抑え込む作用があるのです。
同時に、疲労感を取り除き、集中力を増す効用があります。記憶力もカフェインをとったあと、24時間は上昇するといわれています。
夜遅く、眠気を我慢して仕事しようとする場合、コーヒーはありがたい存在といえます。
カフェインは交感神経を興奮させるため、心臓を収縮させる強心作用があり、腎臓に作用して利尿を促進します(したがってカフェインの多いコーヒーなどで水分補給をしようとしてもうまくいきません)。
また、脳内血管の拡張が周辺組織を圧迫して生じる頭痛に対し、カフェインは血管を収縮させ、頭痛を取り除く働きをします。風邪薬や鎮痛薬にカフェインが使われるのはこのためです。さらにアセトアルデヒドの排泄を促すため、二日酔いによる頭痛も改善します。
またカフェインには脂肪分解や脂肪燃焼を助けるはたらきがあるため、ダイエット効果が期待できます。さらに、カフェインは筋グリコーゲンの再合成を早めるため、長時間運動を続ける前に摂るのが有効です。
またさほど強くはありませんが、気管支平滑筋を弛緩させ、気管支喘息を改善する働きもあります。
カフェインの副作用
その一方で、カフェインには副作用もあります。
摂りつづけると、覚醒状態が長く続き、興奮して寝つけないなどの不眠症になります。
また、感覚が遮断される結果、疲れているのに本人が気づかず、体力、免疫力の低下をひきおこしがちです。
このため自律神経を狂わせ、頭痛、めまい、吐き気、肩こり、腰痛などをおこしてきます。さらには心臓に働いて不整脈や脈拍の増加をきたすことがあります。
また、カフェインは胃液の分泌を促進するため、空腹時に摂ると胃酸で胃粘膜が傷つき、逆流性食道炎や胃潰瘍の悪化する危険があります。胃や食道の弱い人は避けたほうがよいかもしれません。
さらにカフェインは鉄分の吸収を阻害するため、飲みすぎると、貧血をおこす原因にもなります。
また長年カフェインを摂っていた人が突然中止すると、しばしば頭痛を来たし易く、その他、不安、抑うつ、倦怠感、集中力の欠如などがみられます。通常半日~1日で発症し、1週間程度続くと言われています。
留意すべきこと
日頃わたしたちは、カフェインを含むコーヒーや緑茶などを飲んで困ることはありません。
カフェインを摂る時間が夜遅くならないようにし、過度な摂りすぎに注意すれば大いに有用であり、決して避けるべきものではありません。
ただ、薬剤を服用中のかたや妊娠中のかた、胃や貧血治療中のかたは、一度医師の指示を仰いでおくほうが安全です。