GENE

遺伝子のはなし

DNA(デオキシリボ核酸)

進化
100年以上前、細胞の中心にある核の中に酸性の物質が発見され、デオキシリボ核酸(DNA)と名付けられました。

DNAは4種類の塩基(アデニン・チミン・グアニン・シトシン)と五炭糖(デオキシリボース)とリン酸からつくられています。

この3つがくっついた最少の構成単位をヌクレオチドとよびます。そのヌクレオチド同士が結合して鎖を作り、二重ラセン構造となっています。

二重ラセン構造はアデニンとチミン、グアニンとシトシンがペアーで引き合って橋渡しし、30億段もの丈夫な階段をつくっています。

この4つの塩基は、ペアーの2個が引き合って互いの電荷を打ち消し合うため、対外的にはリン酸の影響で酸として振る舞いますが、重要な部分は塩基でできているのです。

遺伝情報の担い手

核酸はDNA(デオキシリボ核酸)とRNA(リボ核酸)の2つに大別されます。

このうち、DNAは大部分の生物において遺伝情報の担い手となっています。

RNAは主にDNAの遺伝情報をもとにしてタンパク質を合成しています。

体格、顔つき、髪にいたるまで身体的特徴は、DNAによって規定されています。父親から子へ伝えられるのは、わずか一個の精子に潜む一組のDNAであり、このDNAが代々子孫へと伝わっていくのです

進化するDNA

こうして親から子へ遺伝情報は確実に伝えられていくのですが、複製の段階でじつは僅かずつですが、設計図に書かれた塩基の並びが変化しているのです。

それは新しい環境に適合していくための生物の知恵というできもので、長い年月をかけ新しい生物を作るもとになってきたと考えられています。このような変化を進化と呼んでいます。

一方、DNAは活性酸素や紫外線・放射線・ダイオキシンなどにより傷つきやすく、そのたび修復遺伝子により、遺伝子の修復がおこなわれ事なきを得ています。

しかし、修復が追いつかなかった時には、突然変異ガン化を引き起こしてくる危険があります。