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胃潰瘍:ピロリ菌特集

ピロリ菌はどのようにしてみつけるのか?

ピロリ菌の検出法には、次の3つの方法があります。

1つ目は胃カメラを飲んで調べる方法です。

胃の組織を採取し、顕微鏡でピロリ菌をみつけるか、あるいは採取した組織に含まれるピロリ菌が発生するアンモニアを調べる方法です(迅速ウレアーゼ試験)。

迅速ウレアーゼ試験は所要時間も短く(約1時間)、胃潰瘍の診断も同時にできて便利ですが、ピロリ菌感染後すぐには陽性に出ないという欠点があります。

 

2つ目は血液や尿をとってピロリ菌の抗体を調べたり、便をとってピロリ菌の抗原を調べる方法です。

手技は簡単ですが、尿検査の場合、感染後の抗体価が下がるのに時間がかかるため、偽陽性が出やすいのに注意する必要があります。

また血液中のピロリ菌の抗体を調べる方法は、検査が簡便なためもっともよく用いられています。ただ、除菌に成功すれば抗体価が低下しますが、有意といえるには1年以上を要するため、初期の除菌判定には向いていません。

さらに、ピロリ菌に感染後すぐには抗体価が高くならないため、この検査が陰性でも、他の検査が陽性であれば感染早期と診断されることになります。

また、便中のピロリ抗原検査では直接ピロリ抗原を調べるため、偽陽性、偽陰性が少なく、精度が高いうえ、リアルタイムでピロリ菌の存在を知ることが出来るので、極めて有用です。

 

3つ目は吐き出す息に含まれる二酸化炭素を調べる方法で、尿素呼気テスト(UBT) といいます。

胃内にピロリ菌がいると尿素がアンモニアと二酸化炭素に分解され、吐いた息のなかに二酸化炭素が増えているのを証明します。

診断精度は感度98.2%、特異度97.9%と極めて高く、最も信頼性の高い検査法と評価されています。

除菌薬を飲んだ後におこなう除菌判定においても極めて有効で、現在最も頻用されています。