インフォームドコンセント
医師が患者さんに対し病気の内容を告知し、なぜその治療が必要なのか、どのくらい期間を要するのか、治る可能性は、費用はどのくらいかかるかなどについて詳しく説明したうえで、今後の治療に関し患者さんの同意を得ることをいいます。
かつて日本では、難病やガンなどで治癒できないと判断された場合、医師は患者本人に病状を知らせないのが、医師のとるべき道であると信じられてきました。
しかし次第に、患者さんに真実を伝えないまま心の通った治療はできないとする意見が多く出るようになりました。
特に個人主義意識が高いアメリカでは、インフォームドコンセントが早くから求められており、我が国でも1980年代から徐々に、患者さんに真実を告知し治療方針を一緒に決めていこうとするようになってきました。
つまり、従来の医師の権威に基づいていたお仕着せの医療をやめ、患者さんの希望、選択権を最大限に尊重するという理念です。
インフォームドチョイス
この場合、医師は治療法についてどういうメリットがあるか、どういうデメリットがあるかを明確に患者さんに示さなければなりません。
そして患者本人と家族の意見が異なる場合は、基本的に患者本人の意思がもっとも尊重されなければならないとされています。
ただし、患者が小児あるいは意識障害や認知症など自己判断できない場合には、家族の同意による意思決定となります。
この理念にのっとって患者さん本人が治療法を選択することを、インフォームドチョイスといいます。
現在、病院側はこの患者さんの選択に対し、法的根拠はないものの、「十分な説明を受け理解した上で、同意します。」という誓約書を求めるのが慣習になっています。