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医の倫理

バイブル商法

バイブル
ある特定の健康食品や民間療法で完治したという内容の本(バイブル本という)を出して読者を信用させ、表現の自由を盾に法律違反(薬事法違反)をかわそうとする商法です。

たいていの場合、本の巻末などに健康食品の販売会社や民間療法の連絡先が記載されているのが特徴です。

現在の医学では根本的な治療法がなくて苦しんでいるかたや、難治性の病気や末期のガンで苦しんでいる人をねらって、明らかに無効とおもわれる薬や、実験段階で効果の判定ができない薬などを、法外な価格で売りつけていることが少なくありません。

「難病やガンに効く健康食品」などという表示も、明らかに法律に違反しています。健康食品は医薬品でないため、効能を謳ってはいけないのです(保健機能食品だけは例外)。

つまり、効能を謳うということは、医薬品であって食品ではないことを意味します。

2005年にはこの薬事法違反で、アガリクスに関するバイブル本の執筆者、出版社、健康食品販売会社代表らが逮捕されました。

バイブル本の悪質な手口については以下のような特徴があるようです。

  1. 「ガンが治った」「奇跡的な治療法」など過度の期待をもたせる事実無根の記述が並んでいます。
  2. 「天然だから安全」「食品だから安全」など、内容にまったく根拠がありません。天然ものと安全かどうかは無関係ですし、食品だから安全かもしれませんが、食品なら効果はないでしょう。
  3. 「驚くべき体験談」が紹介されていますが、全くの創作であったり、複数の施設でほかの治療もうけていて、どれが効いたか判断できない場合もあります。
  4. 「輸入販売許可」をもって「厚生労働省許可」とすり替える手口があります。 
  5. 「著名な医学者の推薦」と書いていますが、実際には本人の許可を得ていない場合が多い。