抗TNF-α抗体の作用
抗TNF-α抗体は、免疫をつかさどるマクロファージを破壊して、TNF-αの産生をストップさせるほか、TNF-αと結合してTNF-αが身動きできないようにしてしまいます。
このため、TNF-αによって発生した大腸の潰瘍が消失すると考えられます。
どんな薬剤があるか
現在、以下の2つが保険適応となっています。
1.インフリキシマブ(レミケード)
2ヶ月ごとに点滴静注します
2.アダリムマブ(ヒュミラ)
2週間ごとに筋肉注射 (慣れれば自己注射も可能)
副作用について
免疫をつよく抑えるため、結核や肺炎などの感染にかかりやすくなり、以前患った結核が再び悪化することがあります。
このため、使用前にはツベルクリン反応や胸部X線検査をおこない、結核の既往が疑われた場合は 結核予防薬を投与しながら抗TNF-α抗体を投与する必要があります。
また、B型肝炎やC型肝炎のウイルスを持っている方 は、抗TNF-α抗体を使用することで再び悪化する危険があるため、使うことができません。
そのほか、肝機能障害や白血球減少がみられたり、発熱や発疹、筋肉痛などのアレルギー症状があらわれることがあるので、定期的に採血やレントゲンなどで感染症や肺炎がないかをチェックしなければなりません。