少し時間のたったサバ・アジ・カツオなどを刺身で摂ると、数時間後、魚のなかに棲息していたアニサキス幼虫(長さ10~20㎜) が人の胃腸の壁に食いついて、腹痛発作をおこすことがあります。
じつは、アニサキス幼虫は魚が新鮮なうちは魚の腸のなかに留まっており、時間がたつとともに腸の壁を破って外へでてくるのです。これを食べることにより腹痛をおこすのです。
胃腸の壁はアニサキスの体液に対するアレルギー反応をおこし、赤く腫れ上がります。
数日で痛みは治まりますが、10日ほどすると胃壁や腸壁に好酸球性肉芽腫と言われる病変ができ、稀には幼虫が胃腸の壁を破って腹膜炎を起こすこともあります。
腹痛がおこってしばらくはアニサキス幼虫が胃の粘膜に食いついていますから、胃の内視鏡検査をうけ内視鏡で虫を摘出するのがもっとも確実です。
時間が経って小腸まで入り込むと、もはや摘出はできませんから、虫が死ぬのを待つしかありません。
生魚はなるだけ新鮮なうちに摂るようにするか、あるいは火をよく通してから食べるようにしてください。