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医の倫理

デザイナー・ベイビー

Baby
このたび、米カリフォルニア州の遺伝子検査会社に、連邦政府から注目すべき特許が与えられました。親にとって願いどおりの条件を備えた赤ん坊を誕生させる技術に関する特許です。つまり、子供にどんな特徴が出るか予測して、それにふさわしい精子・卵子の提供者を知らせようというものです。

ここで対象となるのは体外受精のケースに限られます。

具体的には、ある女性が精子バンクから病気遺伝子がなく自分の希望に沿った精子を購入し、自分の卵子と試験管のなかで受精(体外受精)させた後、自分の子宮に戻して、出産するという手法です。

精子購入にあたっては、その持ち主の遺伝子と、自分の遺伝子をコンピューターに登録し、受精した場合、家族性アルツハイマー病や嚢胞性繊維症など遺伝的な病気を発症しないか、相性はどうかなどを確認します。

この方法は発病を未然に防ぐという意味で意義あるものといえますが、相性を調べるという点では、拡大解釈されると、運動能力や知能・容貌に優れた子供をつくろうとする動きに傾いてしまいがちです。

人生をプログラミングする遺伝子操作

それはまるで、親が子供の特徴をデザインするように決めるため、デザイナーベイビーと呼ばれています。

これについては、多くの生命倫理学者から、親の都合だけで子どもの人生をプログラミングしてはならないとする意見が相次いでいます。

ただ、たとえ優秀な遺伝子を貰ったところで、受精すれば自分の遺伝子も引き継ぐため、期待通りの結果が得られるとは限りません。

また遺伝情報と病気との関連もよく分かっていない分野が数多く残されており、まだまだ子供をデザインできる状態にはないともいえます。

しかし一方では、近年、適切な遺伝子操作を加えることにより、本来の遺伝子を改変して能力を強化することが可能になりつつあります。

したがって、デザイナーベビーが現実化するのは、意外に早いかもしれませんが、あくまで遺伝的な病気の発症を避けるという目的だけに使われるべきだという意見が大勢を占めています。