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胃の病気

浦岡 正義

胃の病気

胃潰瘍と十二指腸潰瘍のちがい

胃潰瘍は萎縮性胃炎を伴って発病するため、胃液の酸度はさほど高くないのに対し、十二指腸潰瘍では萎縮性胃炎を伴わないため、たいていの場合、胃酸の分泌は亢進しています。 したがって胃酸分泌が多い若者に十二指腸潰瘍がみられ、中高年に胃潰瘍の多い傾向...
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胃・十二指腸潰瘍の食事療法

痛みの強いあいだはお粥やうどん・日本そばなどを主食とし、消化のよい煮物や蒸したものをとってください。 食事の時間がばらつかないよう決まった時間にとってください。 夕食は7時ごろまでにとるようにし、夜食は絶対いけません。 やわらかい魚・肉はと...
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胃・十二指腸潰瘍の薬物治療

胃酸の分泌を抑える制酸剤(H2ブロッカーやプロトンポンプ阻害剤)と胃の粘膜を保護する薬が投薬の基本となります。 このほか症状に応じて痛み止めやストレスをとる安定剤などが追加されます。 胃・十二指腸潰瘍では、高率にピロリ菌が原因になっているた...
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潰瘍ではどのくらい安静が必要か?

痛みが激しい間は、安静にして休むべきです。 食事療法と薬物療法が始まれば、通常数日で症状がとれてきます。 基本的には、痛みがとれれば少しずつ仕事を始めてもかまいません。 しかし、潰瘍の程度がひどい場合は、無理をするとすぐに痛みが再発するので...
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潰瘍の薬はいつまで飲めばよいか?

薬を飲み始めると、多くは1週間以内に痛みが消えます。 しかしそこで飲むのをやめると、すぐに痛みが再発してしまいます。 少なくとも1ヶ月は薬を飲みつづけてください。 潰瘍の程度がひどいかたは、医師の指示に従い、2~3ヶ月間飲み続けていただくこ...
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妊娠中・授乳中の胃薬の飲み方

妊娠3ヶ月までは、胎児への影響が考えられるため、なるべく胃薬は控え、食事療法をしっかり守ってください。 その後も妊娠中は必ず医師に相談し、安全性の高い薬を処方してもらってください。 授乳中は比較的安全と思われがちですが、乳児への影響はおもっ...
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潰瘍の検査はどのくらいの間隔で受ければよいか?

通常、潰瘍の治療を始めた後1~2ヶ月後に、治ったかどうかを内視鏡検査で確認するようになっていました。 しかし、最近では、薬剤の進歩により、治らない潰瘍はほとんどないという状況になったきたため、 症状が消えれば、1~2か月の薬剤内服で治療を打...
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治らない潰瘍はどうすればよいか?

近年、ピロリ菌の除菌薬はじめ、制酸剤の急速な進歩で、治らない潰瘍は随分少なくなりました。 しかし蛋白質の不足など栄養状態が不良で、数ヶ月間治療しても治らない場合には、今後は潰瘍と仲良く付き合っていくという考え方に頭を切り替えるようにします。...
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潰瘍の手術が必要なとき

PPI(プロトンポンプ阻害薬)やH2ブロッカーなどの制酸剤が登場し、ピロリ菌を除菌する治療法がほぼ確立された現在、治らない胃潰瘍は極めて少なくなっています。  それでもなお、胃潰瘍の手術が必要とされるケースは残っているのです。   1.潰瘍...
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潰瘍で入院が必要となるとき

入院が必要となる潰瘍は、出血している潰瘍と、穿孔の危険がある潰瘍の2つがあげられます。 これらの潰瘍は失血によるショックや穿孔による腹膜炎をおこす危険があり、入院治療が必須となります。 このほか、痛みが激しい場合や食事が取れない場合にも、短...
乳ガンにならないために

ピンクリボン運動

ピンクリボンとは、アメリカで1980年代に、乳ガンの正しい知識を広め、乳ガン検診の早期受診を世界の女性たちに伝えようとしてできた、市民運動のシンボルマークです。 胸元にピンク色のリボンをつけることでセルフチェックや定期検診をうながし、乳ガン...
腸の病気

おなかが鳴ったり、ガスがでて困るとき

おおぜいのなかで、空腹のためにおなかが鳴って冷や汗をかいた経験は誰にでもあるでしょう。 規則正しい食生活をしている人なら、食事の時間が来ると胃腸のほうも動く準備ができているのです。 したがっておなかが鳴るのは、時間が来て腸が活発に動き始めた...
腸の病気

腹膜炎はなぜおこるか

胃腸に穴があいて食物の一部がおなかの中へ漏れると、腹膜炎を起こしてきます。 しかし穴があかなくても、おなかの臓器の炎症がひどくなると、腹膜にまで炎症が波及し、腹膜炎をおこすことになります。 この場合には激しい腹痛や嘔吐をきたし、ひどくなると...
腸の病気

腸重積とは

腸重積は腸の一部が腸の中にめくれこんで望遠鏡の筒のように二重構造になる病気です。 腸は詰まって働かなくなり、腸閉塞の状態になります。 生後4カ月くらいの乳児から2、3歳にかけてよく発病します。 原因はまだはっきりと分かっていませんが、アデノ...
腸の病気

大腸ポリープ・大腸がん

著書  より 大腸ポリープは、大腸に限局した隆起性病変を総称するが、臨床的に大腸腺腫とほぼ同義語として用いられている。 しかし、ポリープが形態学的な用語であるのに対し腺腫や癌は病理学的診断用語であり、両者を一括して論じることはできない。 ま...
腸の病気

腸疾患の鑑別診断

著書  より 腸疾患の診断にあたっては、便通異常(便秘・下痢・残便感・便柱狭小)や便の異常(血便・粘液便など)・腹部愁訴(腹痛・腹鳴・腹満感)・食欲不振・体重減少などの症状に加え、生もの・抗生物質・鎮痛剤の服用、放射線治療の有無などに注目し...