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胆嚢の病気

浦岡 正義

胆嚢の病気

胆石症の診断はどうするか

健診で腹部超音波検査をうけたときに、偶然胆石を発見されることが多いため、腹部超音波検査が第1選択となることがほとんどです。 ただし胆嚢が萎縮して小さくなっていたり、石が胆嚢の出口付近にあって、見えないことがあります。 また総胆管結石では胆管...
胆嚢の病気

胆石症の治療はどうするか

胆嚢結石の場合 1.胆石溶解剤 無症状か症状が軽い場合に適応になります。 ただし、胆石がコレステロール結石であること、直径1cm以下であること、胆嚢の働きが良好であることという条件があります。 こうして1年以上、溶解剤を飲み続けた場合、約3...
便秘対策

下剤を飲みすぎて効かなくなった場合

食事療法や運動療法をせず、ひたすら薬のみに頼っているかたは、だんだん下剤が効かなくなって、もはや効く薬がないという事態に至ります。 下剤の多くは腸を刺激して動きを活発にする薬ですから、長期間飲んでいると、だんだん効き目は落ちてきます。 その...
下痢対策

なぜ下痢になるか

そもそも下痢というのは 腸にやってきた有害なものを、一刻も早く体外に出してしまおうとする自己防衛反応といえます。 急性下痢の9割以上は細菌やウイルスなどによる感染症です。 この場合、下痢に対し直ちに下痢止めを使用すると菌が腸内に留まるため、...
下痢対策

下痢が止まらない原因

下痢が止まらない原因は、ほとんどが胃腸にあり、つぎの4つに大別できます。 1)細菌やウィルスがくっついた食物(魚の刺身、貝、肉類、野菜サラダなど)を摂ると、菌が腸のなかで繁殖します。 するとこれを追い出そうとして大腸の粘膜から腸の中へ多量の...
下痢対策

急性腸炎(急性下痢)の食事療法

下痢が激しいとき 下痢が頻回で腹痛が強い1~2日間は、番茶やスポーツドリンク、重湯程度とし、少しよくなれば、野菜スープ、薄い味噌汁、酸っぱくない果汁などを摂るようにしてください。 下痢が回復してきたとき 3~4日をかけ主食を3分粥から5分粥...
下痢対策

慢性下痢の食事療法

原因が過敏性腸症候群によるものか、潰瘍性大腸炎のように炎症によるものかで、治療薬は全く異なりますが、食事に関しては治療方針はほぼ同じと考えてください。基本的には煮たり、蒸した料理がよく、炒め物や揚げ物は避けてください。 主食 : 白米・パン...
腸の病気

過敏性腸症候群とは

腸の運動を調節しているのは自律神経です。 したがって手や足は自分の意志で動かせますが、腸を動かすことはできません。 過敏性腸症候群とは、自律神経による腸の運動の調節が狂ったため、便秘や下痢などの便通異常がおこるものをいいます。 原因は精神的...
腸の病気

過敏性腸症候群の治療

病気の原因が精神的なストレスにあるか、自律神経の失調にあるかで、それに応じた治療が必要になります。 1.精神的なストレスが原因の場合 まず本人にのしかかっている精神的なストレスをとってあげることが第1です。 時間をかけて話し合い、精神的負担...
腸の病気

自律訓練法の実際

まず全身の力を抜き、軽く目を閉じてリラックスした状態で、次にのべる言葉を心の中で3~4回繰り返してください。 これを起床時と寝る前に、毎日ベッドの中で試してみてください。続けていると、便通も改善し、おなかの不快感がとれやすくなります。 わた...
腸の病気

下痢と便秘を繰り返すとき

大腸の検査をしても異常がないのに下痢と便秘を繰り返したり、腹痛が治らないという訴えをよく聞きます。 これは腸が痙攣をおこしたり、逆に弛緩して動きが悪くなってしまうのが原因です。 腸に傷はなくても蠕動運動が円滑におこなわれなくなると、このよう...
腸の病気

便が細くなったとき

日によって便が太くなったり、細くなったりする場合はあまり心配することはありません。 腸の緊張が強く痙攣様になると便は細くなりますが、緊張が解けると太くなるからです。 しかし、いつも便が細いとか、急に細くなってきたなどという場合には、大腸の炎...
腸の病気

排便時、真っ赤な出血があったとき

出血と排便の状況により、次の図のように、ある程度病気を予測することができます。
腸の病気

小児の腹痛について

小児に特有の腹痛としては、学校ぎらいや家族の関心を得られない子に、臍疝痛(さいせんつう)という病気があります。 治療はしなくても、精神的に満足が得られれば治ります。 また、1歳以下の乳児に嘔吐・血便がみられる場合には、腸重積という腸のつまる...
食道の病気

たべものが胸につかえるとき

食べ物が胸につかえて改善しない場合、早めに医療機関を受診し、食道を中心に内視鏡検査やCT検査などをうけたほうがいいでしょう。 女性ホルモンのアンバランスや自律神経の失調などによることもありますが、食道下部の神経の異常(アカラジア)や食道ガン...
食道の病気

なぜ胸焼けがおこるのか

胸焼けは胸のあつい焼けるような感じをいいます。 食道と胃の境界にある筋肉がゆるんだ結果、胃のなかの胃液や胆汁が食道へ逆流し、停滞することによって発生します。 胸焼けがあると、胃がわるいとか、胃酸が多いとか考えがちですが、実際には胃の酸度が高...
食道の病気

胸やけの治療

胸やけは食後しばらくして起こることが多く、時間がたてば自然に治りますが、水や牛乳を飲めば症状はとれやすくなります。 基本的には食事療法が第1ですが、それでもよくならない場合は、病院を受診し、ヒスタミンH2受容体拮抗薬(H2ブロッカー)やプロ...
食道の病気

食道静脈瘤はなぜ危険か

食道静脈瘤とは食道の血管が腫れてコブのようになったものをいいます。 たとえば肝硬変になると肝臓に血液が流れにくくなるため、その手前の門脈とよばれる血管に血液が溜まるようになります。 こうしてバイパスである食道静脈へ血液が逆流するため、静脈は...
食道の病気

食道静脈瘤ができたとき

食道静脈瘤のすべてが危険というわけではありません。 赤味を帯びてコブのように腫れ、さらにそのうえに、みみず腫れや血まめのような赤い血管のふくらみが出てくると危険です。 これに対し、食道内視鏡を使って静脈瘤内にエタノールアミンを注入し、静脈瘤...
肝臓ガンにならないために

肝臓ガンは増えているか

肝臓ガンの罹患数は、年間41,000人で、大腸ガン(158,500人)、胃ガン(135,100人)、肺ガン(130,000人)、前立腺ガン(95,600人)、乳ガン(92,900人)、膵臓ガン(42,700人)についで7番目となります。 ま...
肝臓ガンにならないために

どのようにして肝臓ガンが発生するか

肝臓ガンの発生はほとんど肝炎ウイルスによるといっても過言ではありません。 肝臓ガンの実に80%がC型肝炎、10%がB型肝炎から発生しており、アルコールが原因とみられる者は3%程度と言われています。 つまりC型肝炎ウイルスに感染している人は、...
肝臓ガンにならないために

肝臓ガンの症状とは

肝臓ガンはガンとしての症状が出にくいため、肝炎や肝硬変の症状とほとんど変わりありません。 すなわち、全身倦怠感、食欲不振、 微熱、体重減少、貧血、手の平の紅班、下痢、腹部膨満感、前胸部のクモ状血管腫などがあげられます。
肝臓ガンにならないために

肝臓ガンはどのようにして診断するか

C型慢性肝炎とB型慢性肝炎のかたを対象に、1年に数回(病状によって変わる)、腫瘍マーカー(血液検査)と腹部超音波検査あるいはCT検査を定期的におこなっていきます。 腫瘍マーカー AFP(αフェトプロテイン) 胎生期にできるタンパクで、肝臓ガ...
肝臓ガンにならないために

肝臓ガン治療の考え方

肝臓ガンの治療は手術による切除が基本となっています。 予備能力が十分ある場合には、肝臓全体の80%まで切除することができます。 しかし、実際には、肝細胞ガンでは肝硬変や慢性肝炎をもっている患者が大多数を占めているので、現実に手術治療可能なケ...
肝臓ガンにならないために

肝臓ガンの治療はどうするか

外科的切除術がもっとも望ましいのですが、肝硬変などで手術できない場合が少なくありません。 この場合、次のような治療法が有効となります。 1.肝動脈塞栓術 肝臓に栄養を送っている肝動脈を金属コイルやゼラチンで栓をして、ガンへの栄養補給を遮断す...