COVID 19

新型コロナウイルス

知っておきたい医学ミニ情報

新型コロナウイルス

(2)治療薬はないか?

新型コロナウイルス(以下新型コロナと略す)感染症は、最近、匂いや味を感じないことで発覚するケースもありますが、喉の痛みや微熱など普通の風邪と同じ症状か、あるいは全く症状のない感染者も少なくないという特徴があります。 こうして、しばしば本人が...
新型コロナウイルス

(1)指定感染症となる

新しく発見されたコロナウイルスによる肺炎(とりあえず新型肺炎と呼称)は、我々の誰も経験したことのないウイルスによる肺炎で、どれほどの脅威があるかはまだ明らかでありません。 タケネズミ、アナグマ、コウモリなど野生動物の調理の際に、人へ感染する...
免疫のはなし

モノクローナル抗体

抗体とはB細胞(免疫細胞の一種)が産生するタンパク質で、体内に侵入した異物(細菌・ガン細胞など)にある目印(抗原という)にくっついて、異物をからだの外へ追い出そうとします。 つまり、抗体には異物を分解する力はありませんが、免疫を担う細胞(好...
遺伝子のはなし

HGF遺伝子治療薬「コラテジェン」

HGFとは肝細胞増殖因子(hepatocyte growth factor)の略で、1984年、肝臓の細胞を増やす因子として我が国で発見されました。当初は肝臓の病気の治療薬として研究されていましたが、1995年に大阪大学の森下竜一教授により...
新型インフルエンザ

抗インフルエンザウイルス薬「ゾフルーザ」の評価

抗インフルエンザウイルス薬「ゾフルーザ」の登場 今年は近年稀なほどに、インフルエンザの大流行がみられていますが、そのほとんどがA型インフルエンザウイルスによるものです。 2018年3月登場した抗インフルエンザウイルス薬「ゾフルーザ」は、治療...
再生医療

再生医療の現況(2017)

iPS細胞による再生医療の現状 iPS細胞による再生医療の試みは、網膜色素変性(理研)、パーキンソン病(京大)、心不全(大阪大)、脊髄損傷(慶応大)の各分野で、今まさに着手されようとしています。 その先陣をきって、2014年、失明のおそれも...
心理学のはなし

アダルトチルドレン

アダルトチルドレンとは アダルトチルドレンは病名ではありません。 アダルトチルドレンとは、もともとアルコール依存症の親を持つ子供のなかで、親の愛情不足や虐待により性格がゆがめられ、普通に社会生活を送りにくい人々をさしていました。 その後アル...
医の倫理

臍帯血移植によるガン治療の意味

子供のころ学校の花壇で花の種を蒔き、芽を吹いて花が咲くのを観察したことがあるでしょう。花の種を見ているだけでは、とても咲きほこる花を想像することはできません。 ところで、血液にも種というべきものがあります。「造血幹細胞」というものです。その...
遺伝子のはなし

ゲノム編集とは

ゲノム編集とは ゲノムとは、細胞の核にあるDNAに含まれるすべての遺伝情報をいいます。そしてゲノム編集とは、DNA切断酵素である人工ヌクレアーゼを使って、DNAの遺伝子の狙った場所の生物遺伝子を壊したり、切った場所に別の遺伝子を入れて置き換...
心理学のはなし

ピグマリオン効果(教師期待効果)

教師(上司)が生徒(部下)に対して、成績(業績)が上がる期待を示すと、生徒(部下)はその期待に応えようと頑張り、着実に成果を挙げることが多い。 心理学者ロバート・ローゼンタールによれば、「人は期待された通りの成果を出す傾向がある」というので...
心理学のはなし

社会的手抜き(リンゲルマン効果)

社会的手抜きの心理 ある仕事に取り組む場合、ひとりでやる場合は精一杯の努力をするが、大勢で取り組むと、ひとりひとりのパワーは、人数が増えるほど少なくなるという理論です。 つまり、大勢になればなるほど、他の人がなんとかしてくれるだろうという手...
心理学のはなし

カタルシス効果

カタルシスとは、ギリシア語で「浄化」を意味します。 わたしたちは、心の中に渦巻く不安、恐怖、苦悩などの感情を、信頼する人の前で吐き出すことによって苦痛が軽減し、安堵感を得ることを経験します。 この「心が浄化された」という気分を、精神科医のフ...
心理学のはなし

リスキー・シフト

イギリスがEUを離脱したという衝撃的なニュースが報道されたとき、英国内では「こんなことになるんだったら、反対票を投じておくんだった」と嘆く声が、あちこちで聞かれました。 しばらくして米国でも、泡沫候補といわれたトランプ氏が、おおかたの予想を...
腸のはなし

なぜ、おならが出るのか?

私たちの腸のなかでは1日に1~2リットルのガスが発生し、その70%は口から飲み込んだ空気で、窒素・二酸化炭素・酸素・水素等400種類以上が含まれます。 残り30%は大腸内で細菌により食物が発酵あるいは腐敗したもので、発酵型ガスと腐敗型ガスに...
腸のはなし

発酵食品の魅力

旨味 発酵食品の魅力の第一は、乳酸菌などの微生物によってつくられる独特の旨味にあります。 とくに微生物を組み合わせることにより、デンプンがブドウ糖に、タンパク質がアミノ酸に分解されることでアルコール・有機酸・二酸化炭素を生じ、独特の旨味や甘...
腸のはなし

発酵食品

無形文化遺産、和食 わが国の和食が無形文化遺産に認定されたのは、高温多湿な風土に根付く発酵食品文化が高く評価されたことにあるといえましょう。 発酵とは微生物(酵母、酵素、細菌)によって食物中のデンプンや蛋白質が分解され、健康によい成分が作り...
腸のはなし

死んだ善玉菌を摂っても効果はあるか?

加熱殺菌した乳酸菌が寿命を延ばす? ロシアのノーベル賞受賞者メチニコフは、マウスに生きた乳酸菌を加えた餌と過熱殺菌した乳酸菌を加えた餌を別々に与えた結果、過熱殺菌したほうが、寿命を延ばすことに気付きました。 すなわち、生きた乳酸菌そのもので...
腸のはなし

餌を与えて善玉菌を増やそう

プレバイオティクスとは 善玉菌である乳酸菌を直接とりいれるのではなく、餌であるオリゴ糖や糖アルコールを摂って善玉菌を増やそうとする方法で、プレバイオティクスと呼びます。 オリゴ糖は3種類以上10種類までの比較的少ない糖類が結合した化合物で、...
腸のはなし

乳酸菌を摂って善玉菌を増やそう

善玉菌の代表、ビフィズス菌 善玉菌はおよそ500種類もあるといわれていますが、もっとも代表的な善玉菌といえばビフィズス菌ということになります。 ビフィズス菌は糖を分解して乳酸以外に酢酸を産生することから、乳酸だけを産生する乳酸菌とは区別され...
腸のはなし

腸内フローラとは?

栄養豊富な安住の世界、腸 腸のなかには1,000種類、合計1,000兆個もの細菌が棲んでいます。つまりそれだけの菌が安住できる栄養豊富な世界だともいえます。 彼らは腸のなかで雑然と居住しているのではなく、我々が仲のよいグループで集まるように...
腸のはなし

悪玉菌はなくせばよいか?

腸の中の様々な細菌 腸のなかには1,000種を超える細菌が棲みついています。当然、様々なキャラクターの細菌がいるわけで、必ずしも人間にとって都合のいい細菌ばかりとはいえません。 また善玉・悪玉というのは、人間にとって都合がいいか悪いかで分類...
腸のはなし

腸内細菌は敵か?味方か?

3種類の腸内細菌 ひとの腸のなかで“共生”している腸内細菌は、健康維持や生命活動に必要な物質を産生する善玉菌と、からだに害を及ぼす悪玉菌、そのどちらにも属さない日和見菌に分類されます。 日和見菌とは、腸内環境が善玉菌優位になると善玉菌として...
腸のはなし

驚くべき腸内細菌たち

仲の良い同居人、腸内細菌 私たちの腸のなかには1,000種類、1,000兆個もの細菌が棲息しており、細菌の重量は約1.5 ~2kgにのぼるといいます。 そして糞便の約半分は腸内細菌あるいはその死骸といわれています。驚くべき菌の数ですが、腸内...
腸のはなし

驚異的な腸の選別能力“腸管免疫”

免疫システムの2重構造 私たちのからだには侵入するものに対し、これを厳しく拒絶する仕組みがあります。しかし、エネルギーを得るためには、食物という形でそとから栄養を摂る必要があります。 そこで私たちの腸にはからだの70%を占めるリンパ組織がび...
腸のはなし

小腸は免疫の司令塔

小腸にある特殊な機能 私たちは生きていくために食物を摂りますが、胃では塩酸による殺菌で食物の腐敗、発酵を防ぎ、小腸では大量の消化液で食物を分解し栄養分を吸収します。ついで大腸では、この残りかすに含まれる水分を吸い上げながら、固形の便をつくり...