EVOLUTION

生命の進化

浦岡 正義

生命の進化

ホモサピエンスはなぜ生き残ったか?

ネアンデルタール人と言葉 30万年前、ヨーロッパにネアンデルタール人が現れます。採集と狩猟で生活していました。 からだはのちのホモ・サピエンスよりも大柄で、体力も上回っていました。 極寒のなかを生きたため、氷河期のハンターと呼ばれていますが...
生命の進化

アポトージス

指に分離する前の胎児の手、ウイルスに侵された細胞、ガン細胞など、そのままではからだの成長を妨げるとか、自らの命が危うくなるような細胞は、死んでもらわなければいけません。 そこで我々のからだは、そういう厄介な細胞があらわれたら、自ら死を選ぶよ...
生命の進化

人工細菌の登場

一部の宗教家からは「神の領域へ足を踏み入れようとしている」と非難されそうな話しです。 このたび、ヒトのゲノム解読に携わったクレイグ・ベンター博士の率いる研究所が、「人工細菌」を作ることに成功しました。 つまり、DNAをつないで実際に機能する...
生命の進化

酸素なしで生きられるか?

地球上の生物は酸素を利用して、細胞内のミトコンドリアでATPを産生する。 これが生命維持の基本メカニズムであることは周知の事実です。 ところがギリシャのクレタ島に近い地中海の海底から、酸素なしで生きる動物が見つかったというのです。 海水との...
免疫のはなし

免疫案内役「セマフォリン」

からだのなかに細菌などの病原体が入ってくると、すぐさまこれを自分のなかに取り込み、「こんなものをつかまえたよ」と、 “攻撃役”のリンパ節まで連れていく細胞があります。 樹状細胞といわれるもので、外敵に対する見張り役です。 こうして樹状細胞が...
脳のはなし

ブレイン-マシン・インターフェイス(BMI)

手足や首に障害があり不自由な生活を強いられている人たちが、心に念じるだけで機器を動かし快適な生活を送ろうという、壮大な試みが実現味を帯びてきました。 これをブレイン-マシン・インターフェイス(BMI)といい、脳波を読み取って機械を自由に動か...
新型インフルエンザ

新型インフルエンザの現況(2010.1)

新型インフルエンザは2009年11月をピークに、沖縄を除き全国的に減少に転じています。 しかし、今なお、小中学校では4,900校の学級閉鎖、1,800校の学年閉鎖、400校の休校が続いています。 2009年12月までに、新型インフルエンザの...
健康ミニ知識

コエンザイムQ10

コエンザイムとは、「補酵素」の意で、コエンザイムQ10には、2つのタイプがあります。 ユビキノール(還元型コエンザイムQ10)は細胞内のミトコンドリアでエネルギーをつくりだし、活性酸素を撃退します。 もうひとつのユビキノン(酸化型コエンザイ...
栄養ミニ知識

麹(こうじ)

麹(こうじ)とは、米や麦、大豆等にコウジカビ(一群の糸状菌)を混ぜて発酵させたものをいいます。 発酵はコウジカビのような微生物が繁殖して、もとの成分が変化することです。腐敗と何ら変わりないようですが、われわれ人間にとって有用である場合に限り...
新型インフルエンザ

新型インフルエンザの現況(2009.11)

2009年10月、我が国の新型インフルエンザの感染者は738万人になったそうです。 このくらいで落ち着けば、例年なみといえますが、まだ今後、増え続けるかどうなるか今のところ予測しきれません。 新型というのは、人類が経験したことのないヒト型イ...
栄養ミニ知識

乳酸菌飲料

今から5千年も昔のこと、砂漠を行き来するアラビア人が何日も経ったミルクを飲もうとしたところ、水筒の中が透明な液と白い固まりになっていました。 試しに舐めてみると、酸味のある旨さがありました。乳糖が発酵してできる酸味の強い液で、乳酸と呼ばれる...
健康ミニ知識

入浴驚愕反射

夏場は36~38℃、冬場は38~40℃が入浴に適した温度です。 入浴は基本的にぬるま湯(湯温38℃以下)がよく、上半身をお湯から出し10分以上湯船に下半身だけ浸かるのが最もよいとされます。 しかしぬるま湯が好みでなく、適温40℃ぐらいで全身...
再生医療

皮下脂肪による再生医療

幹細胞 再生医療の切り札ともいうべき幹細胞には2つの特徴があります。 すなわち、発育するにしたがって、肝臓・膵臓・心臓・骨・血管・脂肪などいろいろな細胞に姿を変えられること、さらに、いくらでも自己コピーをとることができるという特質をもってい...
再生医療

piPS細胞の登場

一年前、再生医療の切り札として山中教授らにより開発されたiPS細胞(人工多能性幹細胞)はその後、60%がガン化することが判明。 4個の遺伝子をウイルスにくっつけて細胞内に注入すると、どうしても注入された細胞の遺伝子に傷がつきやすく、発ガンを...
結核のはなし

我が国の結核の問題点

昭和年代には中高年のかたがたの多くは、いつの間にか結核菌に感染し、自然に抵抗力(免疫)を得ていました。 ところが現在、自然環境が整備されたおかげで、中年以下の若者の多くは、結核に感染する機会がなく、抵抗力もありません。 いまや日本社会は、結...
結核のはなし

結核の治療とは?

現在では結核と診断されても、4種類の薬を6~9ヶ月間毎日きちんと服用すれば必ず治るといわれています。 痰の中に菌が出なくなれば、外来での治療が可能となります。 しかし結核菌は強力な菌なので、長期間、薬を飲み続けなければなりません。 このため...
結核のはなし

BCGとは?

BCGはウシ型結核菌を培養してつくられた細菌、カルメット・ゲラン桿菌(Bacille de Calmette et Guérin)の頭文字をとったものです。 一般には結核菌に対するワクチンを「BCG」と呼ぶ習慣になっており、毒性を弱めた結核...
結核のはなし

ツベルクリン反応とは?

一般にツ反とよばれているものです。 結核菌の”ある成分”(ツベルクリンというたん白質)を注射しますと、人体は結核菌が侵入したと思ってアレルギー反応を起こします。 この反応を利用して結核感染の有無を調べるのがツベルクリン反応検査です。 日本で...
結核のはなし

結核の診断はどうするのか?

まずツベルクリン反応で結核に感染したかどうかを判定します。 結核菌に強く感染しておれば、発赤は大きく広がり、全体が硬くなります。 しかしBCG接種によっても同じような変化がおこるため、ツベルクリン反応が結核菌の感染によるものか、BCG接種に...
結核のはなし

結核に感染しても発病する人としない人がいるわけ

結核に感染しても必ず発病するわけではありません。結核菌が体内に入ると通常は免疫機能が活発化して菌の増殖を抑えます。 つまり結核菌に対する抵抗力(免疫)が作られ、菌を封じ込んでしまうのです。 こうして結核菌は完全に死滅しないまま、肺の中で冬眠...
結核のはなし

どうして結核にかかるのか?

痰の中に結核菌を出していない場合には、まわりの人に感染する心配はありません。 大量の結核菌が痰の中に出ている(排菌している)患者さんの咳により、結核菌が空気中に飛び散り、周りにいる人がそれを吸い込んで感染します。 しかしたとえ結核菌をまき散...
結核のはなし

肺結核 どんな症状がでるのか?

肺結核も最初のうちはカゼにそっくりな症状です。 ただ、いつまでもせきやたんが止まらず、微熱が続きます。 そのうち、だるさ、寝汗、胸の痛みといった症状が出現し、さらに病状が進むと血痰がでたり、喀血したりします。
結核のはなし

結核はどこに発生する病気か?

結核菌は主に気管支から肺に入って炎症をおこします。 肺から肺の表面に炎症が広がると、胸膜炎(以前は、肋膜ともいった)をおこし、肺炎が進むと化膿して空洞をつくり、難治となります。 肺のほかには首のリンパ節(以前は、るいれきともいった)など全身...
結核のはなし

今なぜ、結核なのか?

戦後、世間ではあたかも消滅したかのように思われていた結核が、近年増加に転じ、世界中を慌てさせています。 2004年の結核による死者は開発途上国を中心に320万人と過去最大で、1年間に発生する結核患者は800万人に上っています。 我が国でも、...
免疫のはなし

アレルギーコップ

何年かかけて花粉症を発生させる物質がコップに溜まったとしましょう。 そしてある日、コップが一杯になってこぼれ始めたとき、花粉症が発生するといわれています。 子供のころは何ともなかったのに、大人になってある日突然花粉症になったというのは、じつ...