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潰瘍性大腸炎の最新治療

浦岡 正義

潰瘍性大腸炎の最新治療

潰瘍性大腸炎 左側大腸~全大腸炎型(軽症)の治療

軽症の場合、ステロイドの経口投与は極力控えめにします。 経口剤は症状に応じて、5ASA(アミノサルチル酸)製剤であるペンタサ1.5~4.0g/日か、アサコール2.4~3.6g/日か、リアルダ2.4~3.6g/日か、サラゾピリン3~4g/日を...
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潰瘍性大腸炎 左側大腸~全大腸炎型(中等症)の治療

まずは5ASAを十分に投与 5ASA(ペンタサ、アサコール、リアルダ)を十分量使うことを基本とします。ペンタサなら4g/日、アサコールなら3.6g/日、リアルダなら3.6g/日まで投与できます。 ステロイドを追加投与 経過を見ながら、ステロ...
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潰瘍性大腸炎 いつまで薬を飲めばよいか

ペンタサ・アサコール・リアルダ・サラゾピリンは 副作用が出ない限り、飲み続ける必要があります。 寛解維持療法として、ペンタサ1.5g/日か、アサコール2.4g/日か、リアルダ2.4g/日か、サラゾピリン2g/日が推奨されます。 一方、ステロ...
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潰瘍性大腸炎 左側大腸~全大腸炎型(重症)の治療

まず、ペンタサ4g/日(アサコール、リアルダ3.6g/日)と、プレドニン40~80mg/日の点滴を開始します。 以後、効果あれば1~2週後、ステロイドを少しずつ減らす漸減療法を開始します。 ステロイドの漸減療法が奏功し寛解状態に至れば、アザ...
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潰瘍性大腸炎(難治例)の治療

ステロイド療法が不成功に終わる難治例には、次の2つのケースが考えられます。 1.ステロイドが効かない(ステロイド抵抗性)とき 比較的軽度なら、血球成分除去療法を選択します。 重症度高度なら、タクロリムス、抗TNF-α抗体、シクロスポリン持続...
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潰瘍性大腸炎 第3の治療薬 免疫を抑える薬

免疫を抑える薬 にはつぎの3種類があり、症状によって、使い分けをします。 1.免疫調節剤(チオプリン製剤) アザチオプリン(イムラン) メルカプトプリン(6MP)保険適応なし 2.免疫抑制剤 タクロリムス(プログラフ) シクロスポリン(ネオ...
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潰瘍性大腸炎の治療薬 免疫調節薬とは

免疫調節薬の長所 免疫抑制薬がすべての免疫能を押さえ込むのに対し免疫調節薬は 異常な免疫能だけを正常化し、正常の免疫能には影響しない特徴があります。したがって、より安全性が高い薬剤といえます。 現在、アザチオプリン(イムラン)とメルカプトプ...
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潰瘍性大腸炎の治療薬 免疫抑制薬とは

タクロリムス(プログラフ)(経口)とシクロスポリン(ネオーラル)(静注)の2種類がありますが、現在、保険適応があるのはタクロリムスのみです。 ともに、カルシニューリン(細胞内の情報伝達)の作用を抑え、インターロイキン2(炎症をおこすサイトカ...
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TNF-αとは

TNF-α(腫瘍壊死因子)は腫瘍細胞を壊死させたり、感染を防御する、本来は、からだを守っているサイトカインです。 通常は外敵がからだに侵入すると免疫システムにスイッチが入りますが、時として、外敵がいないのに間違ってスイッチが入り、際限なくT...
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免疫を抑える 生物学的製剤 抗TNF-α抗体とは

抗TNF-α抗体の作用 抗TNF-α抗体は、免疫をつかさどるマクロファージを破壊して、TNF-αの産生をストップさせるほか、TNF-αと結合してTNF-αが身動きできないようにしてしまいます。 このため、TNF-αによって発生した大腸の潰瘍...
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潰瘍性大腸炎 白血球除去療法とは

潰瘍性大腸炎の原因になっている活性化した白血球を取り除けば、炎症そのものが消失するという考えに基づく治療法で、きわめて安全性が高いのが特徴です。 フィルターは、活性化した白血球のみを取り除き、正常な白血球や水分、栄養成分は通過するように出来...
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血液成分除去療法 の実際

血液成分除去療法は、現在以下の2つの方法が主に行われており、寛解導入率は60~80%と好成績を示しています。 顆粒球除去療法(GCAP・GMA) アダカラム(3,500個のセルロースビーズ)を用いて約50%の顆粒球・単球を吸着除去します。 ...
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潰瘍性大腸炎(劇症型)の治療

劇症の場合、まずは絶食とし、経静脈的栄養補給をおこないます。 そして衝撃を与える治療法として、ステロイド動注療法、強力静注療法を試みます。 ステロイド動注療法は、上下腸間膜動脈から水溶性プレドニソロン10~20mgを一挙に注入する方法です。...
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小児の潰瘍性大腸炎

小児の潰瘍性大腸炎は、発症後短期間で、直腸炎型から全大腸炎型へ進行しやすい傾向があります。 また、成人にくらべ重症になりやすい傾向があります。 ステロイド゙は成長障害をおこしやすいので、なるべく使わないようにします。 また、思春期には難治性...
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高齢者の潰瘍性大腸炎

若年者に多い疾患といわれていますが、10~15%は高齢者にも発症します。 軽症が多く進行が遅いといわれますが、一旦悪化しはじめると合併症を引き起こし、重篤化しやすい特徴があります。 高齢者では栄養状態が悪化しやすいため、栄養管理に十分な配慮...
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潰瘍性大腸炎はガンになりやすい?

病変が大腸全体に広がっているかた、発病後10年以上経過しているかたには、ガンが発生しやすいといわれています。 たとえ症状がなくても、寛解維持のため、5ASA製剤(ペンタサ、アサコール、サラゾピリン)は飲み続けてください。 5ASA製剤には、...
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潰瘍性大腸炎 手術が必要なとき

内科的な治療を施しても改善が見られない場合には、外科医と相談のうえ、手術を考えなければなりません。特に次のような事態には、早急に外科医と相談する必要があります。 薬がまったく効かない 副作用のため薬が使用できない場合 大量出血や穿孔(腸に穴...
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潰瘍性大腸炎の食事療法

症状が落ち着いている時期は、普通食でかまいません。 下痢や血便がひどいときは、お粥やうどんを主食にし、消化のよい煮魚・さしみ・軟らかい肉・卵・豆腐など、高タンパクで栄養価の高い食品をとるようにします。 野菜・芋類はよく煮て摂り、炒め物・揚げ...
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潰瘍性大腸炎 仕事・運動はどのくらい可能か?

症状のない寛解期には、仕事、運動とも特に制限はありません。 しかし、下痢・出血・腹痛がつよい時期は、運動はしないようにしてください。 仕事は軽作業からはじめ、症状が悪化しなければ徐々に増やしていくようにしてください。
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潰瘍性大腸炎 検査はいつ受けたらよいか?

血液検査・大腸内視鏡検査とも1年に1回、定期的にうけてください。 症状に変化がなくても病変の進行していることがあり、内視鏡検査を受け、いま飲んでいるくすりを増減する必要がないか、調べなくてはなりません。 また血液検査を受け、肝機能・白血球・...
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潰瘍性大腸炎 妊娠・出産は可能か?

できれば症状の落ち着いた寛解期に,妊娠するのが理想ですが、よほど病状が悪化しない限り、妊娠・出産は可能です。 ペンタサ・アサコール・リアルダ・サラゾピリン・ステロイド(10mg以下)を服用中でも、流産・先天奇形が出易くなることはなく、妊娠は...
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潰瘍性大腸炎 薬を飲みながら授乳してよいか?

ペンタサ・アサコール・リアルダ・サラゾピリン・ステロイドホルモンとも、服用後は微量ながら母乳に出てきますが、このくらいの量では乳児への影響はないといわれて います。 したがって、病状をみながら主治医と薬の使用量を決めてください。 なお、免疫...
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潰瘍性大腸炎 ほかの病気にかかったとき

ほかの病気にかかったのをきっかけに、潰瘍性大腸炎の悪化することがあります。 一般に市販の薬を飲んでも潰瘍性大腸炎は悪化しませんが、抗生物質や鎮痛剤はなるべく避けたほうがよいといわれています。 どうしても飲む必要がある場合は、必ず主治医に相談...
栄養ミニ知識

“ビタミン”がなくても生きていけるか?

ビタミンは糖・タンパク・脂質のように身体の材料やエネルギー源にはなりませんが、これがなければ健康を維持できず、生きていくことはできません。 つまり、自動車でいえばオイル(潤滑油)に相当します。いくらガソリンを満タンにしても、オイルをさしてお...
健康ミニ知識

“ホリスティック医療”とは?

ホリスティック医学とは、人間を目に見える個体としてだけでなく、気とか心とか、精神的なものが一緒になった総合的な存在として捉えています。 そして人間は、単に「からだを構成している部分の集合」よりも、価値ある存在だという認識に立っています。 そ...