INFECTION

感染症

浦岡 正義

感染症

ピンポン感染

ピンポンの球を打ち合うように、お互いに病気をうつしたりうつされたり、繰り返すことをピンポン感染といいます。 一番問題になるのは、性感染症に罹ったカップルの片方が、性交渉によりパートナーに病気をうつす場合です。 この場合は片方が治療をして完治...
医の倫理

ヒヤリ・ハット

医療事故や交通事故、火災事故など、ちょっとした不注意で事故をおこしそうになり、ヒヤリとした、ハッとしたという経験を「ヒヤリ・ハット」と呼びます。 医療に関しては、英語で「Medical incident」と言い、マスコミでは時に「医療ミス」...
栄養ミニ知識

発酵と腐敗の違い

発酵とは、微生物が繁殖して有機物が分解し、もとの成分が変化することをいいます。 その点で、腐敗と何ら変わりませんが、われわれ人間にとって有用である場合に発酵と呼び、有害である場合を腐敗と呼びます。 かつて冷蔵庫などのない時代、人々は食物をい...
核医学のはなし

進化する”CT”

CT装置とは、X線管球が身体の周りを回転して、360°から撮影された情報を集め、それをコンピュータ解析してからだの輪切りの画像をつくる(CTスキャンという)装置です。 最初は時間もかかり、被曝量も少なくありませんでしたが、そのうち、1列の検...
核医学のはなし

CTとMRIはどちらが有利か?

CTはComputed Tomography(コンピュータ断層撮影)の略で、放射線を利用してからだのまわりを走査し、コンピュータを用いて処理することで、断面画像を作成する撮影法です。 一方MRIはMagnetic Resonance Ima...
脳のはなし

睡眠時無呼吸症候群(SAS)

睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)とは、10秒以上呼吸が止まった状態(無呼吸)が一晩に5回以上みられる病気です。 いびきがひどくて熟睡感がなく、目覚めに頭痛がおこりやすく、昼間居眠りして困るなどの特徴があ...
感染症

ヘルペス

ヘルペスはラテン語で小さな水疱、膿疱が集まった水ぶくれ(疱疹)という意味です。 ヘルペスには単純疱疹と帯状疱疹のふたつがあります。どちらもヘルペスウイルスが原因で発病しますが、同じウイルスではなく、親戚のような間柄です。 じつは私たちの9割...
遺伝子のはなし

遺伝子治療

遺伝子治療は、もともと、特定の遺伝子が欠損していたり、遺伝子に異常がある先天的な病気に対して、正常な遺伝子を導入して治療することを目的に始められたものです。 しかし徐々に遺伝病だけでなく、エイズなど後天性の病気に対する遺伝子治療が盛んになり...
遺伝子のはなし

DNA(デオキシリボ核酸)

100年以上前、細胞の中心にある核の中に酸性の物質が発見され、デオキシリボ核酸(DNA)と名付けられました。 DNAは4種類の塩基(アデニン・チミン・グアニン・シトシン)と五炭糖(デオキシリボース)とリン酸からつくられています。 この3つが...
遺伝子のはなし

ヒトゲノム計画

ゲノム(genome)とはgene(遺伝子)とome(集合)を組み合わせた言葉で、生物のもつ「すべての遺伝情報」という意味です。 その実体は生物の細胞内にあるDNAであり、遺伝子の情報や遺伝子の発現を制御する情報などが含まれています。からだ...
健康ミニ知識

プリン体

私たちのからだは定期的に細胞分裂を繰り返し、古い細胞が壊れ新しい細胞へ交換されています。この古い細胞が壊れるときには、細胞の核に含まれる核酸が肝臓で分解され、プリン体という物質に変わります。 プリン体という名はプリン環という共通の骨格(化学...
医の倫理

デザイナー・ベイビー

このたび、米カリフォルニア州の遺伝子検査会社に、連邦政府から注目すべき特許が与えられました。親にとって願いどおりの条件を備えた赤ん坊を誕生させる技術に関する特許です。つまり、子供にどんな特徴が出るか予測して、それにふさわしい精子・卵子の提供...
栄養ミニ知識

老化物質 “AGE(終末糖化産物)” 

血液中のブドウ糖が過剰になると、からだの組織を作っているコラーゲンなどのタンパク質と糖が結びつき(糖化という)、体温で熱せられると、終末糖化産物(advanced glycation end products )(略してAGE)が発生します...
医の倫理

飛び込み出産

妊娠しても産婦人科に行かず、かかりつけ医を持たない人が、陣痛が来て初めて病院に運ばれる。これを産科医の間では強引な出産依頼という皮肉をこめて、飛び込み出産と呼んでいます。 一方、世間ではこの人たちを出産難民と呼んで、病院が陣痛の始まった妊婦...
医の倫理

終末期医療(ターミナルケア)

終末期医療(ターミナルケア)とは、回復できる可能性がなく、死を間近に迎えた末期の患者さんの看護をいいます。 とくに国民病ともいわれるガンの患者さんが大半を占めているのが現状です。 終末期医療については、以前は患者さんの延命のみを目標にしてい...
脳のはなし

神経伝達物質

喜怒哀楽などの感情を引き起こす情報は、脳のニューロンという神経細胞で作られた化学物質(神経伝達物質)が、信号を発して隣の神経細胞へ送られることによって伝わります。 私たちは何らかの刺激を受けると、神経伝達物質がつくられて大脳辺縁系のなかにあ...
環境問題

地球に優しい“エコロジー”

近年、世界中で環境破壊や公害問題がさかんに取り上げられるようになったため、エコロジーが一躍注目されるようになりました。 エコロジーとは人間と自然とが共存していこうとする考え方です。地球にやさしい生活とか、環境にやさしい生活という言葉に変える...
医の倫理

インフォームドコンセント

インフォームドコンセント 医師が患者さんに対し病気の内容を告知し、なぜその治療が必要なのか、どのくらい期間を要するのか、治る可能性は、費用はどのくらいかかるかなどについて詳しく説明したうえで、今後の治療に関し患者さんの同意を得ることをいいま...
免疫のはなし

アトピー体質は治るか

アレルギー性鼻炎・気管支喘息・アトピー性皮膚炎など、アレルギーになりやすい体質をアトピー体質といいます。 アトピー体質のからだにアレルギーをおこす物質が侵入すると、IgE抗体なるものが大量につくられ、これにくっつきます。するとヒスタミンやロ...
栄養ミニ知識

700種類の色素“カロテノイド”

カロテノイドとは、植物や動物、微生物が持つ黄、赤、紫など700種類もの色素の総称です。 これらの色素は見て美しいためにではなく、強い光から自分のからだを保護し、植物にとってはクロロフィルとともに光合成に不可欠の材料になっているのです。 植物...
栄養ミニ知識

糠(ぬか)

糠(ぬか)とは、穀物を精白した際に出る果皮や種皮、胚芽などの部分をいいます。我が国では米から出るものがよく知られるため、米糠のことを単に糠と呼ぶのが一般的です。 油の成分が多いため、油を搾ったり(米ぬか油)、栄養価が高いので、乳酸発酵させて...
健康ミニ知識

バイオミメティックス(生体模倣技術)

70年前のこと、スイスのジョルジュ・デ・メストラル氏が散歩中、犬のからだに付いた野生ゴボウのいがを外そうとしたとき、いがが犬の毛にからみ付いて容易にはずれないのに着目しました。 この仕組みを真似てマジックテープがつくられ、現在の巨大産業に発...
環境問題

海洋発電

我国の国土は決して大きくはありませんが、排他的海上水域は世界6位です。 したがって、この広い海からなんとかエネルギーを取り出せないかという取組みが、長い間おこなわれてきました。 大きく分けて、海上のエネルギーを利用して発電しようとする試みと...
環境問題

人工降雨

雨を降らせるには、雲の中に核になる粒子と氷点下の雲が必要になります。 核になる粒子とは空気中に浮かぶ微小な粒子で、海面で砕けた波が吹き上げられた塩の粒子や、陸上から巻き上がった砂塵の粒子です。 雲の中がマイナス15℃以下になると、この粒子の...
環境問題

酸性雨

山岳や田園地帯に降る雨は中性に近い弱酸性ですが、都会など雑踏のなかではpH4近くの強い酸性になります。現在我が国では、pH5.6以下の雨を「酸性雨」の目安としています。 酸性雨による人体への影響は、1973年に皮膚や目のチカチカする痛みを訴...